歯科治療における修復物の選択は、患者様の歯の寿命や将来的なお口の健康に直結する非常に重要な決断です。ここでは、一般的に行われるコンポジットレジン充填と、より広範囲な修復に適したインレー(詰め物)について、その材質や特徴、安全性、そして費用面まで網羅的に詳しく解説いたします。

まずは、コンポジットレジン充填について解説します。これは、虫歯の部分を削り取った後に、コンポジットレジンと呼ばれる歯科用のプラスチックを直接詰め込む治療方法です。最大の特徴は、保険適用が可能で非常に普及している点にあります。3割負担の場合、費用は約700円から1300円程度が目安となりますが、虫歯の大きさや位置、処置の複雑さによって多少の前後があります。

コンポジットレジン充填には多くのメリットがあります。第一に、色が天然の歯に近いため、銀歯と比べて見た目が非常に自然です。また、多くの場合は型取りの必要がなく、1回から2回程度の短い通院期間で治療が完了します。さらに、金属の詰め物のように維持力を出すための余分な削り込みを必要としないため、ご自身の歯を削る量を最小限に抑えることができます。金属を使用しないため、金属アレルギーの心配や、金属の溶け出しによる歯肉の変色リスクがないことも大きな利点です。修理が必要になった際も、その部分にレジンを盛り足すリペアが比較的簡単に行えます。

一方で、デメリットも存在します。プラスチック素材であるため、時間の経過とともに吸水し、変色や着色が起こりやすく、数年で見た目が悪くなることがあります。また、強度の面でもセラミックや金属には劣るため、噛み合わせが非常に強い部位や、歯ぎしりをする方の場合は、欠けたり割れたりするリスクを考慮しなければなりません。

さらに、安全性に関する議論として環境ホルモンの問題があります。1996年に、歯科用レジンやシーラントからビスフェノールA(BPA)が溶け出すという報告がなされ、マスコミ等で大きく取り上げられました。しかし、その後の日本歯科医学会による検証では、口腔内に充填したレジンから血液中にBPAが取り込まれることは確認されませんでした。当時の論文には実験手法上の不可解な点も指摘されており、現在では慎重な検討が必要とされていますが、それでも過敏に反応される方や使用を控えたいという患者様もいらっしゃいます。そのような方や、耐久性・変色のなさを重視する方には、セラミックを用いた治療が推奨されます。

次に、インレーについて詳しく説明します。インレーとは、奥歯の虫歯を削った範囲に合わせて、お口の外で製作された部分的な詰め物のことです。保険適用の場合は主に金属(銀歯)が用いられますが、自費診療ではセラミックベースの素材が主流となります。これには主に、レジンとセラミックの混合材質であるハイブリッドセラミック、ガラスセラミックのe-max、そして圧倒的な強度を持つジルコニアセラミックなどがあります。

ここで、材料としてのレジンとセラミックの違いを整理します。 ①レジンは、プラスチックのような性質を持ち、適度な弾性があるため噛み合う歯を傷めにくいという特性がありますが、割れやすく、すり減りやすく、長期間の使用で変色します。 ②セラミックは、陶器のような焼き物素材を歯科用に改良したものです。天然の歯に近い透明感と色調を再現でき、吸水性がないため変色の心配が全くありません。非常に硬く汚れも付きにくいですが、たわみがほとんどないため、一点に強い衝撃が加わると脆い側面があります。

これらの長所を融合させたのがハイブリッドセラミックです。これはレジンとセラミックを混合した素材で、適度な硬さと自然な見た目を両立させています。セラミックの美しさとレジンのしなやかさを併せ持つため、噛み合わせの強い奥歯においても、周囲の歯との調和を図りやすいのが特徴です。

結論として、初期の小さな虫歯であればコンポジットレジン充填が第一選択となりますが、より大きな範囲の修復や、長期的な美しさと耐久性を求める場合には、セラミック系のインレーが非常に有効な手段となります。セラミックは保険外の自費診療となりますが、その高い審美性と清潔さ、変色のなさは、長期的なお口の健康維持において大きなメリットをもたらします。

え:治療直後はどのを治したのかわからないので喜ばれますが、年数が経つとこのように必ずなることをイメージしておいてください。前歯でも奥歯でも同じです。差し歯にするほどでもない小さい虫歯が対象です。繰り返し何度も白い保険の詰め物を詰め替えることを希望される方もおられるのでご自身の判断次第です。ほんとその点が迷いますよね!繰り返し詰める程どんどん一回り大きくなった治療となるので私的には保険の白い詰め物の詰め替えは最大3回が限度じゃないかなと感じてます。
かなり大きい範囲に白い詰め物をすると耐久性が悪いので前歯の場合オールセラミッククラウン (差し歯・被せ物)をご検討ください。奥歯ならセラミックベースのインレーとしては、主にe-maxジルコニアセラミックハイブリッドセラミック

画像の説明

答え:保険の白い詰め物、すなわちコンポジットレジンは耐久性の弱い材質なので噛むほどにどんどん摩耗してかみ合わせの面が削れてきます。保険内金属の詰め物ならほとんど摩耗することはありませんが、金属腐食やアレルギー的な面で心配が出てきます。そういう心配もなく見た目上白い方がいいという方は保険外セラミックベースのインレーをお勧めしております。e-maxジルコニアセラミックハイブリッドセラミックが耐久性があるので長い目で見て安心です。保険内金属のような金属腐食もなくアレルギー的にもOK!